新人破壊工作員の初作戦2

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  • 残酷描写有り
  • 性的描写有り
  • 暴力描写有り
  • 二次創作
  • アニメ・ゲームのキャラ出すのあり
1人目

前回の話……
特殊部隊「シルバークロウ」に入隊した新人であるアキラは、ジャングルにある施設の調査及び必要に応じて破壊するという初任務を命じられる。アキラの単独任務と聞かされ、不安で仕方なかったのである。

作戦開始エリアに到着して、ジャングルの中を進んでいくと、研究員と武装した男性達の集団を発見し、尾行すると施設を発見する。施設の中に入っていく研究員と男性達を追いかけようとするが、気付かれそうになり、断念してしまう。そんなときに、謎の無線が入る。無線の相手は、協力者を名乗る謎の女性からであった。その謎の女性からは、施設に入るためには異なる二つのパスキーが必要であること。そのうちの一つのパスキーを持つゲイル博士が廃墟の中にある牢屋に囚われていると情報を手に入れる。アキラは、作戦本部に報告し、廃墟に向かっていく。廃墟へと向かう途中、武装した男性兵士と人型モンスターと遭遇してしまうが、麻酔銃や近接格闘で乗り越えていく。

廃墟に到着すると、ゲイル博士は廃墟の中の地下室にある牢屋に居て、鍵の在処も聞き出すことに成功する。廃墟の中に侵入して、ゲイル博士を救出することに成功する。

しかし、そこでゲイル博士から衝撃的な発言を聞かされる。アキラの目的は、廃墟にいる男達を眠らせることが目的だというのだ。

「た、確かに……ゲイル博士が囚われているという情報は、協力者と名乗る女性からではありますが、こうやって実際牢屋に入れられていたじゃないですか?それに、パスキーは?博士もパスキーを持っているんですよね?」

「ああ……確かに、パスキーをもっているよ。ほら……」
ゲイル博士は、パスキーをアキラに渡していた。

「これともう一つのパスキーがあれば、ジャングルの施設の中に入ることはできるんですよね?」

「ああ……その通りだよ。」

「それじゃ……協力者の女性の言っていることあっているんじゃ?」
アキラは、何が何だかわからず、混乱していた。

「アキラ君、ただ作戦本部はこうも言っていなかったか?あまり、彼女を信用しすぎるなと、彼女は信用ならないと……」

「確かに言ってましたが……俺は、どうしたらいいんだ。何を信じれば良いんだ……」
アキラは、作戦本部、謎の協力者、ゲイル博士。誰を何を信じれば良いのか不安に陥っていた。

2人目

アキラはパスキーを握る手に力を込めた。頭の中は三つの声で飽和している。
「作戦本部の警告…謎の協力者…そして、ゲイル博士の衝撃的な主張…」
アキラは一歩後ずさり、壁に背中を預けた。ここで独断で動くのは危険すぎる。全てが絡み合い、もはや誰が味方で誰が敵なのか、作戦の真の目的すら見失いかけている。
しかし、仮に本部が自分の敵であれば今ここで動きを見せれば更なる危険に陥るだけだ。アキラは冷たい壁の感触に意識を集中させ、思考を巡らせた。
「ここの男達を眠らせるのが目的なら、眠った男達をどうするというんです?まさか回収してあの人型モンスターに改造する、とかではないですよね?」

3人目

「もし、そうだと言ったら?」

「ありえない。博士は、無理矢理やらされる研究に嫌気をさして、施設から抜け出そうとしたから、廃墟の牢屋に一生出られないように囚われたんじゃないんですか!?」
アキラは、益々、自分が今までしてきたことがなんなのかわからなくなってしまう。

「それも、作戦本部からの情報ではなく、協力者を名乗る彼女からの情報じゃないかね?」

「ううっ!?……そ、それは確かに……うん?」

「こちら、作戦本部。アキラに追加指令を出す。ゲイル博士を護衛しつつ、廃墟に向かいつつある協力者を名乗る彼女を迎え撃ち、彼女を始末したまえ……良いか!!必ず始末したまえ。我々の目的のためには必要なことだからな……」

「こちら、アキラ。一体、何がどうなっているんですか!?作戦本部からの作戦指令は、ジャングルにある施設の調査及び必要に応じて破壊じゃないんですか!?」

「君は、作戦本部からの指令に従えないのか!!作戦本部からの指令は絶対だ!!ゲイル博士を護衛しつつ、協力者を名乗る彼女を始末するんだ!!以上!!」

「くそっ!!俺は、どうすれば良いんだ……」

「フフ……君にはまだまだ頑張ってもらわないといけないからね。さあ、どうすればいいかわかるよね?」
アキラは、とてもじゃない選択に迫られていた。その後ろ姿を見ながら、不敵な笑みを浮かべる。ゲイル博士は、アキラを言葉巧みに誘導しようとしていた。

「これでうまくいけば、あの女を始末してくれるだろうな……」

4人目

ゲイル博士の不敵な笑みが、アキラの決断を決定づけた。
「ええ、わかりますよ、博士」
アキラは冷たい声で言った。
「あなたが何を企んでいるかは知らないが、俺の知る『作戦の目的』を歪ませることはさせない」
アキラは瞬時に腰のホルスターから麻酔銃を抜き放ち、ゲイル博士の胸元に突きつけた。
「何を…」
博士の顔から余裕の笑みが消えた。
「作戦本部からの指令は『ゲイル博士を護衛しつつ、協力者を始末』。でも、俺の最初の指令は『施設の調査及び必要に応じて破壊』だ。博士、あなたは今から俺の人質になってもらいます。そして、俺は自分の目的のために動く」
アキラの瞳に迷いの色はもうない。博士の不敵な笑みは、彼が「作戦の目的」の核を握り、それを己の都合の良いように捻じ曲げようとしている明確な証拠だった。本部からの追加指令は、その博士を守るためのもの。ならば、本部は既に博士の手の者か、あるいは重大な事態に気づかず操られているか、そのどちらかだ。
「ズシュッ!」という微かな発射音と共に、麻酔弾がゲイル博士の胸元、ワイシャツの薄い生地を破って深く突き刺さる。博士は目を見開き、驚愕と痛みに声を上げようとしたが、それより早く薬物が作用した。
「ぐっ…な、ぜ…!?」
言葉は途切れ、博士の体から急速に力が抜けていく。
「眠ったか。まずは身体検査をしなければな」

5人目

アキラは、眠っているゲイル博士の身体検査をして、特に怪しい物は所持していないことを確認していた。

「ゲイル博士を人質としても、まだパスキーがもう一つ必要なんだよな。それに、眠っている人質を運ぶのはなかなか大変だな……」
アキラは、廃墟の廊下を上りながら、今後のことを考えていた。

「作戦本部の指令は、協力者である彼女。彼女の情報をどこまで信じられるんだろうか……ゲイル博士のこともあり、誰が信用できて、誰が信用できないのか」
アキラは、作戦本部の本意が分からない上に、素性が分からない協力者とも信用できなくなってきた。

「よし、後もう少しで出口だ……」
アキラは、眠っているゲイル博士を背負いながら、出口へと向かっていると出口が見えてきたために、警戒しながら、外に出ようとする。

確認を終えて、外へと足を踏み出していた。しかし、アキラには予想だにしていなかったことが起ころうとしていた。

「くらえ!!」

「一体、どこから!?くそっ……嘘だろ!?あれは、グレネード!?」
アキラは、日が暮れて辺りが真っ暗になっていたせいか、外に居た男性兵士に気づくのが遅くなり、声が聞こえると真上に何発かのグレネードが飛んできていた。

飛んできたグレネードを避けることに必死で、背負っていたゲイル博士を落としてしまう。

「しまった!?ゲイル博士が……」
アキラは、人質として利用しようとしていた。ゲイル博士は、アキラを狙ったグレネードに吹き飛ばされ、心臓が止まってしまっていた。

「動くな!!そこのお前、武器を下ろして、持っている武器を全て出せ!!」

「お前だな。ジャングルで、人型モンスターや仲間達を倒したという男は……お前は、一体何者だ!!」

「くっ……見える範囲だけでも、6、7人ぐらいか。既に包囲されていたなんて……日が暮れて、夜になってしまったせいで、視界が悪くて、男性兵士達やグレネードに気づくのが遅れてしまうとは……」

アキラは、周囲を見渡すと、準備をして待ち構えていたかのように、男性兵士達に包囲されてしまっていた。切り抜けるのは、並大抵な状況ではないのは、一目瞭然であった。

「ゲイル博士が巻き込まれてしまったのは、残念だが、ここで怪しい奴を始末してしまえば、問題ないはずだ……お前たちやれ!!」
男性兵士の一人の合図のもとに、銃を構えていた。

「くっ……ここまでか……」
アキラは、逃げられるスペースがないために、諦めかけていたその時……

「新人さん!!伏せて!!」

「くっ!!」
アキラは、聞こえてきた声に従い、地面に向かって、しゃがみ込んでいた。

「ぐっ!?」
「ぐわっ!?」
「うはっ!?」
アキラが、しゃがみ込んでいると、何発もの銃声音と共に、次から次へと悲鳴が聞こえていた。悲鳴が収まると、アキラは身体を起こしていく。身体を起こすと目の前には、先程まで包囲していた男性兵士達が被弾しており、既に息が止まっていたのである。

「何が起きたんだ!?確か、どこからか声が聞こえてきて……」
アキラは、声が聞こえてきた方向を探していた。

「大丈夫?生きてる?間一髪、なんとか間に合ったみたいね。ごめんなさい……遅くなって……あなたが、『シルバークロウ』の新人さんね?」

アキラは、小さな光が見えた方向に歩いていくと、そこには、ヘルメットを被り、ライダースーツを身に纏い、バイクに乗って銃を構えていた女性だった。