三題噺(三つのお題でリレー)

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3000文字以下 30人リレー
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  • 自由に続きを書いて
  • 楽しんだもの勝ち
  • ジャンルは何でも
  • お題3つは必ず使用
1人目

前の人が出した三つのお題で文章を書いて行くリレーです。

以下がルールになります。

・必ず文章の中に三つのお題の言葉を入れるようにしてください。

・お題の言葉が入っていれば、ショート小説でもポエムでも詩でも説明書でもなんでもOKです。

・必ず五行以上の文章を書いてください。

・最後に必ず、次の人へ三つのお題を出して下さい。

・同じお題で被った場合(裏でメモ帳などに書いている間に、違う人に先を越されて投稿されてしまった等)は、そのまま投稿して頂いてOKです。
その場合の『次のお題』は、先に投稿した方のお題を使用してください。


ルールが必要な場合は追加していきます。


★ ★ ★ ★


※最初のお題は「カスタムお題メーカー」からの出題を使用しました。

例文のつもりで即興で書き始めたので、下手なのは見逃してください^^;

★ ★ ★ ★


「やかん」「砂浜」「電信柱」


予備校からの帰り道。太陽がじりじりと照り付ける昼下がりの歩道を、僕は鼻歌を歌いながら歩いていた。すると、額の辺りにぽたりと水滴が落ちてきた。

雨でも降ってきたのかと空を見上げると、電線の上に絶妙なバランスでやかんが乗っていた。

どうやら水滴は、あのやかんの表面に生じた結露らしい。その証拠に、やかんの下半分くらいまでの部分が太陽の光を乱反射してテラテラと輝いている。

それにしてもあのやかん、どうやってあそこへ乗せたのだろうか。思わず顎に手を当てて考えてしまった。

まさかどこかの誰かが電信柱をよじ登り、電線を綱渡りしてあそこへ置いたのだろうか。

いや、ありえない。

下が砂浜なら落ちても多少の怪我くらいで済むだろう。だが、がっつりとアスファルトな道路の上に転落でもしようものなら、ただじゃ済まない。

どうやって置いたかはさておき、とりあえず危険なので、石でも投げて落っことしてやろうかとも思った。けれどアルバイトの時間が迫っている。

危ないことをする奴もいるものだな、と思いながらも僕は、やかんを放置したまま家へと帰った。


♢ ♢ ♢


家に荷物を置いて、アルバイトへ向かうために再びあの道路を通った。すると、ちょうどやかんの真下で近所の嫌味おばさん二人が井戸端会議をしていた。

そんな危険な場所で話し込んでいたら、いつかやかんが落っこちてくるんじゃないかとヒヤヒヤする。

しかしおばさん二人は、やかんの存在にまったく気がついていないらしい。

すると、向こうから一匹のカラスが飛んできて、やかんの乗っている電線にとまってしまった。

必然的にやかんはグラグラと揺れて、今にも落ちそうだ。

いつも人の悪口ばかりを話しているおばさんだが、流石に知っていて教えてやらないのも、それはそれで卑怯な気がする。

この間も聞こえるように嫌味を言われたりしたが、今日は特別に助けてやるか。

そう思っておばさんたちに近づいていくと、

「あれ、落合さんのとこの浪人息子さんでしょ。受験に失敗して、予備校通ってるらしいわよ」

露骨に意地の悪そうな顔をして、ひそひそと話し出した。

その途端、僕の心はすっかり冷めてしまった。

何も言わず、そのまま素通りする。

あざけるような笑いが、背中越しに聞こえた。少しムカッときたが、今回は聞かなかったことにしてやろう。

まあせいぜい、人の悪口で至福の時を過ごしてくれ。

でも気を付けな、神様はちゃんと見ているんだからさ。



次のお題は、「岬」「待ち合わせ」「結ぶ」です。

2人目

被りの場合はこういう感じで、同じお題で投稿して頂いて構いません。



「やかん」「砂浜」「電信柱」


夏休みの暑い日の午後。

私は家の外でやかんを振り回して遊んでいた。

半分くらい冷たいお茶の入ったやかんは、勢いよく回すとフタが無くても中身がこぼれなかった。

面白いから調子に乗ってグルグル回す。

これは遠心力というもので、外へ引っ張られる力が働いてこぼれないらしい。教育番組の科学の実験でそう言っていた。

でも、これどうやって止めたらいいの?

そういえば、こぼれない実験はやっていても、止めるところまではやってなかったっけ。

急に止めたら、それこそ中身が全部こぼれちゃう。でも止めないわけにいかないよね……

考えている内にも腕が痺れて来て、スポンと手からやかんがすっぽ抜けてしまった。

その拍子に私は、道路わきの電信柱に頭をぶつけてひっくり返る。

一瞬、頭の上に星がチカチカと瞬いて、砂浜が見えた気がした。

これって死亡フラグ?

えっ、砂浜? あの世に行くのに通るのは賽の河原で、砂浜じゃないよね? ってことはセーフ!

馬鹿なことを考えながら起き上がる。きょろきょろと周りを見回してみるも、肝心のやかんの姿がどこにも見当たらない。

えっ、うそ、どこ行っちゃったの。そう思った瞬間、私の額に冷たいしずくが当たった。

上を見上げてみると、電線の上に嘘みたいにちょこんとやかんが乗っていた。

まあ、そのうち落ちてくるでしょ。


おわり

(落ちてないけど、被った例としてなので見逃してくださいw)



次のお題は、「岬」「待ち合わせ」「結ぶ」です。


※前の人が出しているお題と同じものを書くか、後の人はお題を書かないかのどちらかで。

もしも後の人がうっかり違うお題を書いていても、次に書く人は先に出されたお題を採用してください。

3人目

古い灯台の下、霧に煙る岬。
誰も来ないはずの待ち合わせ場所で、私は見知らぬ人影に声をかけられた。
その声は私をもう戻れない世界へと結ぶ合図だった。
「ずいぶん、待たせてしまったね」
人影は振り返らず、ただそう囁いた。 足元の岩肌に、血のように赤い潮が滲んでいくのを見た。
私が発した微かな悲鳴は、濃い霧に吸い込まれて消えた。



次のお題は、「ライフセーバー」「アイスコーヒー」「テコの原理」です。