謎の仕事

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1人目

夕暮れが街をオレンジ色に染める中、競パン姿の二人の男、ケンジとタケシは、汗と潮風の匂いをまとって港の桟橋を歩いていた。
肩に担いだ巨大なクーラーボックスが、歩くたびにゴトゴトと音を立てる。
ボックスの中では、氷と一緒に「何か」が静かに揺れていた。
「なあ、ケンジ。この仕事、ほんとに大丈夫か?」
タケシが少し不安げに声を潜めた。
「心配すんなよ、タケシ。いつもの仕事と変わんねえよ。運んで渡して、金もらって終わりだろ?」
ケンジは陽気に笑い、肩を軽く叩いた。彼の髪は未だに海水で濡れてギラギラと光っていた。
二人は港から続く細い道を抜け、丘の上に佇む古びた屋敷へと向かっていた。
その屋敷は、街の誰もが知る「ジェリーフィッシュ」と呼ばれる場所だった。
かつては豪華なパーティーが開かれたというが、今は朽ちかけた外壁と蔦に覆われた窓が不気味な雰囲気を漂わせている。
「でもさ、なんでこんなとこに運ぶんだ? しかも『獲物』って…何だよ、それ」
タケシはクーラーボックスの重さに顔をしかめながら、ケンジに尋ねた。
「細けえことは気にするなって。金払いがいいんだから、そんだけで十分だろ」
ケンジは足を速めた。タケシの不安な声を聞きたくないからだ。