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  • ホラー
  • 性的描写有り
1人目

田舎の静かな町に、優斗一家はようやく到着した。長いドライブの疲れを残した車が、広々とした駐車場に滑り込むように停まった。エンジンの音が止むと、周囲を包むのは穏やかな風の音と、遠くの鳥のさえずりだけだった。
「さあ、着いたぞ」
父親の優斗が、疲れた顔に笑みを浮かべて言った。彼はハンドルを離し、ドアを開けて外へ出る。背が高く、肩幅の広い体躯は、都会の喧騒から逃れてきた男の逞しさを静かに物語っていた。
後部座席から、母親の雪子が小さな息子の春斗を抱き上げて降り立つ。雪子は誰もが見惚れるほどの巨乳美人だった。柔らかな曲線を描く胸元が、シンプルなブラウス越しに優雅に揺れ、長い黒髪が肩に流れ落ちる。まだ幼い春斗は、母親の温かな腕に抱かれながら、大きな瞳をきょろきょろと動かした。
「ここが僕たちの家?」
春斗の無垢な声が、静かな空気に響く。雪子は優しく微笑み、息子の頰にキスを落とした。
「そうよ、春斗。ここが私たちの新しいお家」
家は古びた洋風の建物で、三人家族には贅沢なほど広大だった。白い壁に蔦が絡まり、庭には野花が咲き乱れている。優斗が荷物を降ろしながら、雪子に目を向けた。
「三人で暮らすには大きすぎないかしら」
雪子の言葉に、優斗は肩をすくめて笑った。
「狭いより広い方がいいだろ。部屋もたくさんあるし、春斗が走り回れるスペースも十分さ。きっとここで、のびのびと暮らせるよ」
彼はポケットから鍵を取り出し、玄関の重厚な木製の扉に差し込んだ。錆びた鍵が回る音が響き、扉がゆっくりと開く。
都会では考えられないような広い家だ。
別荘でもこれほどの豪邸はない。
三人はそれぞれ個室を選ぶと、荷解きをして家の中を探索する。
春斗は地下の個室を選んだ。そこは、元書斎だったようで壁一面に新品らしき本が並んでいる。