よってらっしゃい!

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500文字以下 10人リレー
2週間前 556回閲覧
  • 自由に続きを書いて
  • 残酷描写無し
  • 性的描写無し
  • ミステリー
  • 二次創作
  • 楽しんだもの勝ち
1人目

「さぁ今回も始まりました!TV番組「よってらっしゃい!」。視聴者の皆さんが主催者ですっ。」
「えーと今日は。10人の方にきてもらいましたー!お題は………デデンッ『怪談ナイト』。これは、
怪談を語ってもらいます〜。作り話でも、本当にあったちょっぴり不可解なことでもOKです」

2人目

「まずはゲストの高橋さんからどうぞ。」
「え〜ッ怪談って言う怪談では無いのですが、この間友人と会いまして飲みに行ったのですが、その時に見たんですよ……、店主が人間を食べている所を……。」

3人目

高橋がそう言った瞬間、スタジオの照明が真っ赤に染まった。
「……あはっ、高橋さん。それ、『作り話』ってことにしないとダメですよ?」
司会者の女性が、今まで見せたことのない無機質な笑顔で詰め寄る。
「い、いや、本当なんです!あの店の奥で、確かに腕を……」
高橋が震える手でスマホを取り出そうとした瞬間、彼の背後のセットを突き破り、巨大な「手」が伸びてきた。
「ギャアアア!」
悲鳴は一瞬。高橋の体はセットの裏側へ引きずり込まれ、バリバリという嫌な咀嚼音がマイク越しに響き渡る。

4人目

マイクが床に落ち、甲高いハウリングがスタジオを満たした。
照明は赤から白へ、白から闇へと不規則に点滅する。

司会者の女性は微動だにしない。
いや、正確には瞬きすらしていなかった。

「放送、続けて」

スピーカーから流れた声は、彼女のものではなかった。
スタジオの四方八方、いや、壁の内側から響いている。

引きずり込まれたはずの高橋の悲鳴は、もう聞こえない。
代わりに、もぐもぐ、と。
咀嚼する音だけが、規則正しく鳴っていた。

カメラが自動でパンする。
映ったのは、セットの裏側に“増えて”いた空間。
飲み屋の奥によく似た、薄暗い座敷。
床には畳。柱には無数の爪痕。

そして、店主。

いや、店主だったもの

人の形を保っているのは腰までで、上半身は番組のセットと癒着していた。
腕は何本もあり、一本が高橋のスマホを摘まみ、一本が口へ運んでいる。

画面にはテロップが出る。

《※この番組はフィクションです》

観覧席から、拍手が起こった。
誰も立ち上がらない。
誰も逃げない。

司会者の女性が、ようやく笑った。

「次の体験者の方、どうぞ」